高濃度ビタミンC点滴
Riordan博士は、1976年に進行がん患者100人に高濃度のビタミンCを点滴し、対照のがん患者と比べ生存期間が4.2倍に延長したと発表しました。その後否定的な論文もあり、あまり世の中に広まりませんでしたが、2005年にNIH(米国立衛生研究所)から「高濃度のビタミンC点滴はがん細胞を殺し、高濃度ビタミンC点滴療法ががん治療に有用である可能性がある」という論文が発表されました。その発表以来米国では多くの施設でがん患者はビタミンC点滴の治療を受けています。
抗がん剤などと併用し、補助療法として治療効果を高めたり副作用を軽減したり、生活の質(倦怠感、食欲不振 化学療法の副作用)を改善する効果があることが知られており現在では世界で広く行われている治療法です。
ビタミンCは点滴投与することで大きな効果が
ビタミンCをサプリメントで摂取する場合は、早く代謝分解されやすくなってしまいます。一方、ビタミンCを点滴で投与する方法では、特に高濃度ですと一気に血中に上昇し効果を得られることができます。ビタミンCは酸化されやすく早期に代謝分解を受けやすいと言われますが、高濃度の点滴ですとその効果を補うことができるのです。
アメリカでは大学や民間病院等で臨床試験が開始され、アメリカトーマスジェファーソン大学による大腸がんにおける抗がん剤(イリノテカン)とビタミンC点滴を併用する効果を、また、すい臓がん、肝臓がん、悪性リンパ腫に対して化学療法と併用する効果を、カンザス大学による卵巣がんに対する抗がん剤との併用効果を、さらには標準の化学療法で効果の得られない進行がんに対する高濃度ビタミンC点滴の効果が報告されています。
ほかにも前立腺がん、脳腫瘍、乳がんに対する効果、またがん患者の生活の質(疼痛、疲労、不眠、食欲低下)の改善効果なども認められています。
米国では多くの施設でがんの患者さんがビタミンC点滴の治療を受けています。
さらに疲労回復、アンチエイジング、健康増進目的の方も幅広い効果を得ることを目的とします。
当院は防腐剤のないビタミンC製剤を使用
当クリニックで使用しているビタミンC製剤は、米国施設で使用されているものの中でFDA(米国食品医療品局)の認可を得ている防腐剤の入っていない安全な製剤を治療目的に海外から冷蔵空輸して使用しています。
※国産ビタミンC注射薬はすべて防腐剤入りで高濃度ビタミンC点滴には不向きのため